結核菌感染診断補助検査クォンティフェロンTBゴールドについて詳しく教えて下さい。
Q-1:結核菌に感染してから、陽性になるまでの期間はどの程度ですか。
感染から陽性になるまでの期間(ウィンドウ期)は明らかではありませんが、ツベルクリン反応と同様、8〜10週間といわれています。
Q-2:陽性の解釈について教えてください。
結核感染を疑います。しかし、最近の感染と昔の感染、あるいは潜在性結核と活動性結核の区別はできません(Q-6)。被検者の病歴、臨床所見に基づいて、総合的に判断する必要があります。
また、ESAT-6、CFP-10及びTB7.7という結核菌に特異的な蛋白を抗原として使用しているため、BCGワクチン接種やほとんどの非結核性抗酸菌とは反応しませんが、一部の非結核性抗酸菌では陽性となることがあります(Q-7)。結核菌と非結核性抗酸菌との鑑別には、分離培養法、PCR法等により菌の同定を行う必要があります。
Q-3:陰性の解釈について教えてください。
結核に感染していません。ただし、潜在性結核感染あるいは結核の可能性を否定するものではありません。
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ウィンドウ期での検査、高齢者や合併症などにより免疫機能が低下した状態、血液検体の不適切な取り扱いなどにより、偽陰性を示すことがあります。結核感染の可能性を示す臨床所見、病歴及び結核発症リスクに考慮し、総合的な判定が必要です。
Q-4:判定保留の解釈について教えてください。
判定保留(疑陽性)の場合、通常は感染していないと判断します。しかし、感染のリスクの度合い−例えば、結核感染の割合が高い集団に属していた、あるいは感染力の強い結核患者に長期間接触しているなどの状況を考慮して陽性と推定します。
経過観察し、再検査などして総合的に判定します。
Q-5:判定不能(判定不可)の解釈について教えてください。
結核感染の有無を判定できません。
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QFT検査には個人のIFN-γ産生能を調べる陽性コントロールが含まれます。Tリンパ球をマイトジェンという一種の細胞毒で非特異的に刺激し、その応答をみることで、Tリンパ球がIFN-γを産生する基本的な能力をチェックしています。同時に測定した陽性コントロールが基準より低い場合、Tリンパ球の活性低下が疑われ、特異抗原に対する反応の信頼性がないということでこのように判定されます。
要因としてリンパ球不足やHIV感染者、エイズなどの免疫不全状態、糖尿病、慢性腎不全、白血病、悪性腫瘍、免疫抑制剤やステロイド投与、80歳以上の高齢者があげられます。また、IFN-γ産生は採血からの時間経過と低温保存で減衰します。
よって、免疫不全等の理由が考えにくい場合は再度採血を行い、再検査されることをお勧めします。再検査の結果も「判定不能」となった場合、他の診断法を考慮します。
Q-6:潜在性結核と活動性結核の鑑別は可能ですか。
"オフ側は"何を意味するのでしょうか?
結核菌に感染すると発症の有無に関わらず体内のTリンパ球がその情報を記憶して外部から再び結核菌あるいはそれと同じ抗原が入り込むと血中Tリンパ球が免疫応答を起こします。潜在性結核、活動性結核ともに反応しますので、鑑別することはできません。
※ 潜在性結核とは結核菌に感染しているが結核を発病していない状態をいいます。
Q-7:結核菌以外の抗酸菌には反応しませんか。
最も多いM.avium、M.intracellulare には反応しません。
ESAT-6、CFP-10及びTB7.7は、すべてのBCG株やほとんどの非結核性抗酸菌に存在しませんが、M.Kansasii M.szulgai、M.marinum にはESAT-6、CFP-10の存在が知られているため、これらの感染によっても本検査が陽性となることがあります。結核菌と非結核性抗酸菌との鑑別をするには、分離培養法・PCR法等により菌の同定を行うことを、お勧めします。
Q-8:結核の既往歴があった場合、結果はどうなりますか。また、結核患者の治療効果判定に使えますか。
「過去に結核症になったが現在治癒している」ということであれば、過去がどれくらい前なのかにより反応は変わります。
最後の感染後QFT陽性は年間3.2〜3.5%位ずつ減衰(陰性化)すると推定されています。また、治療後の陽性率は治療開始時90%、6ヵ月後76%、15ヵ月後46%と次第に低下することが報告されています。しかし、現在のところまだ十分な知見が得られていませんので、治療効果判定に使用するには無理があるようです。
Q-9:食事や溶血の影響はありますか。
食事の影響はありません。
溶血は偽陽性となることがありますので、再度採血してください。
〔参考〕
現場で役に立つQFTのQ&Aと使用指針の解説 平成20年改訂 (2008)
クォンティフェロンTBゴールド添付文書 2010年9月改訂(第3版)
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